夏にタイヤバーストが多いのはなぜ?原因と防止対策を初心者向けに解説

車のトラブル

「夏になるとタイヤのトラブルが増えるって聞いたけど…本当?」
答えは「本当」です。中でも怖いのが、高速道路などで突然タイヤが破裂する“バースト”。特に夏場は、気温の高さや路面温度の影響でタイヤへの負担が増え、トラブルが起こりやすくなります。この記事では、夏にタイヤバーストが起きやすい理由と、初心者でもできるカンタンな対策をお伝えします!

なぜ夏にタイヤバーストが多いの?

夏は遠出やドライブが楽しくなる季節。ところが同時に、タイヤの破裂(バースト)事故が一年で最も増える時期でもあるんです。

たとえば、JAFの発表によると、

  • 2021年のお盆期間(約1週間)だけで、タイヤトラブルはなんと816件!
  • 2021年7月の1か月間だけでも、タイヤ関連の出動は全国で41,789件!

…ちょっとびっくりしますよね。
どうしてこんなに増えるのか?その理由はこちらです:

  • タイヤの中の空気が膨張しやすい
     夏の路面は60℃以上になることも。高温になると空気が膨らんで、タイヤの中の圧力が一気に上がってしまいます。
  • タイヤが古くなって摩耗している、または弱っている
     走行距離が多いとタイヤの溝はどんどんすり減っていきます。さらに暑さや紫外線の影響でゴムが劣化し、ヒビ割れや硬化が進行。気づかないうちに、とても危険な状態になっていることもあります。
  • 荷物や人をたくさん乗せて長距離ドライブ
     お盆や夏休みの旅行でクルマに負担がかかりがち。そのぶんタイヤにも大きな負荷がかかります。

タイヤがバーストする“しくみ”

タイヤが破裂(バースト)するのは、いくつかの条件が重なって限界を超えてしまうからです。代表的な流れは次のとおりです。

  1. 空気の膨張
    夏の高温や路面の熱でタイヤ内部の空気が膨張し、内圧が上がります。
  2. タイヤの劣化
    ゴムは紫外線や時間の経過で劣化し、ひび割れや硬化が進みます。劣化した部分は通常よりも破れやすい状態です。
  3. 過度な負荷
    人や荷物を多く積んだ状態、高速走行、段差や穴への衝撃などでタイヤに大きな力がかかります。
  4. 熱の蓄積
    長距離走行や炎天下の駐車によってタイヤ自体が高温になり、ゴムや内部構造が弱くなります。
  5. 破裂に至る
    膨張した内圧、劣化したゴム、過度な負荷や熱が重なった結果、最も弱い部分から一気に破れてしまう。これがバーストです。

「空気の膨張」+「ゴムの劣化」+「負荷や熱」
この3つが重なったときに、タイヤはバーストしやすくなります。

タイヤバーストを防ぐ!夏ドライブ前のチェックポイント

「えっ、タイヤってそんなに気をつけなきゃダメなの?」
そう思った方こそ、以下のポイントをぜひチェックしてみてください!


✔ 空気圧のチェックは「冷えている状態」で!

夏は走った後に測ると、タイヤ内の空気が膨張して高めに表示されてしまいます。正確な空気圧を知るには、朝イチや走行前など“冷えている状態”でのチェックが基本です。
※ちなみに猛暑の走行後は、通常より10~30kPa(0.1~0.3kgf/㎠)程度も空気圧が上がることがあります!
最近ではガソリンスタンドで無料チェックできるところも多く、慣れれば5分ほどで終わります。とくに高速道路を走る前は“冷えている状態”で空気圧を確認するのが大切!
朝イチや、走る前の涼しい時間帯にチェックするだけで安心感がグッと変わります。

空気圧チェックについての解説はこちらの記事をご覧ください。

初心者でも簡単!空気圧チェックのやり方と頻度をやさしく解説
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✔ タイヤの側面(サイドウォール)にも注目!

つい「溝の深さ」ばかりに目がいきがちですが、バーストの大きな原因となるのは側面のヒビやふくらみです。特に4年以上使用しているタイヤは、ゴムの劣化が進みやすく、バーストのリスクがぐっと高まります。軽い見た目のヒビ割れでも、高速道路では深刻なトラブルに繋がることも。
ちなみに、タイヤワックスの使い方によってはゴムの劣化を早める場合もあります。

タイヤワックスの使用による劣化の記事はこちらです。気になる方はチェックしてみて下さい。

タイヤワックスは逆効果?守るはずが劣化を招く理由
タイヤを守るはずのワックスが、逆に劣化を招くことも?メリット・デメリットを実体験と専門家の話からわかりやすく解説!

✔ 車に積む荷物は必要最小限に!

「念のためにアレもコレも…」と積みすぎると、タイヤへの負担がグッと増加します。最大積載量は車検証や説明書に書いてあるので、それを超えないように注意しましょう。

✔ 長距離ドライブ前は“タイヤの夏バテ”にもご用心!

ドライバーも水分補給が必要ですが、タイヤだって夏の暑さで弱ることがあるんです。旅行や帰省などで高速道路を使う前には、ガソリンスタンドや整備工場で無料点検をしてもらうのもおすすめです。

運悪くバーストしてしまったら…どうすればいい?

どれだけ気をつけていても、タイヤのバーストは突然起こることがあります。そんなとき、あわてずに行動することが大切です。

✔ まずは落ち着いてハンドルを握る

バースト直後は車がふらつきやすくなります。急ハンドル・急ブレーキは厳禁!
ハザードを出してゆっくり減速し、できるだけ早く路肩や安全な場所へ停車しましょう。

✔ 停車後は無理にタイヤ交換しない

高速道路などでは、自分でタイヤ交換しようとすると非常に危険です。
車から離れてガードレールの外など、安全な場所に移動し、JAFや保険のロードサービスに連絡しましょう。
正直、バーストしてしまった時点で「どれだけ無事に止まれるか」は運の要素も大きくなります。
だからこそ、事前のタイヤ点検や空気圧チェックが本当に大切。
「バーストしないように備える」ことが、何よりの安全対策です。

まとめ

夏は気温が高くなり、タイヤにかかる負担が大きくなることでバースト事故が増えやすい季節です。国土交通省やJAFのデータでも、お盆や7月の高速道路でのバースト事故が多く報告されています。

バーストは突然起こる危険なトラブルですが、日頃からの空気圧チェックやタイヤの側面のひび割れ・ふくらみの確認をしっかり行うことで、リスクを大幅に減らせます。

月に1回の空気圧チェックはガソリンスタンドでも無料でできるので、面倒でも習慣にすることが安心への第一歩です。

夏のドライブを楽しく安全にするために、今すぐできる点検を始めてみませんか?しっかり備えて、安心のカーライフを手に入れましょう!



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