えっ、タイヤって外れるの!?増えてる脱落事故と防ぐためのポイント

車のトラブル

最近、ニュースなどで「走行中にタイヤが外れた事故」が取り上げられることが増えていますよね。
「えっ、そんなことあるの?」と思った方もいるかもしれませんが、実は乗用車での脱落事故も増えているんです。

タイヤが外れると、最悪の場合は命に関わる重大事故にもつながりかねません
これからタイヤ交換の時期を迎える方にとっては、特に気をつけたいところです。

この記事では、
・なぜタイヤが外れる事故が増えているのか
・どんな人に起こりやすいのか
・そして私たちができる防止策

私自身の経験も踏まえながら、初心者の方にもわかりやすくお伝えしていきます。
少しの注意で防げることなので、ぜひ最後まで読んで安全対策に役立ててくださいね。

タイヤ脱落事故って実際に起きてるの?

「そんなのトラックとかバスの話でしょ?」と思った方、実は乗用車での事故も増えているんです。

国土交通省の調べによると、2022年度には全国で約400件の「車輪脱落」事故が発生し、その中でも乗用車の割合が増加傾向にあります。

特に増えているのは、冬用タイヤに履き替えるタイミング。自分でタイヤ交換をする人が多いこの時期に、脱落事故も多発しています。

どうしてタイヤが外れちゃうの?

原因の多くは、「ナットの締め忘れ」や「トルク不足(締める力が弱すぎる)」など、作業時のミスによるものです。

見た目では問題なさそうでも、実はナットが少しずつ緩んでいて…
走っている途中にタイヤが外れてしまうという、怖いケースも少なくありません。

ナットが1本でも緩んでいれば、ホイール全体のバランスが崩れ、脱落リスクが一気に高まります。

また、不正改造やパーツの経年劣化などが原因になることもありますが、乗用車での事例は比較的少ないようです。

私自身が実際に経験したケースでは、「ホイールがガタガタする」と言って来店されたお客様の車を点検したところ、なんとナットが上下逆さまに取り付けられていたことがありました。

本来ナットは、先端のテーパー部分(斜めの座面)をホイールに密着させて締める必要があります。
ところがこの車は、ナットの平らな頭側がホイールに接していたため、しっかり固定されておらず非常に危険な状態でした。→ 画像はこちら

ご家族の方がタイヤ交換をされたとのことでしたが、何事もなく本当に良かったと思います。
このような「ちょっとした取り付けミス」が、大きな事故につながる可能性もあるのです。

自分でタイヤ交換する人は特に注意!

最近は、費用を抑えるために自分でタイヤ交換をする方も増えています
もちろん自分で作業するのは悪いことではありませんが、そのぶん注意すべきポイントも増えるのが現実です。

しっかり締めたつもりでも、
トルク(締める力)が足りていない
増し締めを忘れてしまう

といったミスは意外と起きやすいんです。

また、「トルク不足が危ないなら…」と逆に締めすぎてしまう人も少なくありません。
でもこれ、実はNG。締めすぎるとボルトが傷んだり、車両側にダメージを与える可能性もあります。

「じゃあ、どうすればいいの?」と思いますよね。

そんな方におすすめしたいのが、トルクレンチです。
これは、指定されたトルク(締め付け力)でナットを締められる工具で、プロも使っている安心アイテム。

1本持っておけば、締めすぎもトルク不足も防げて、確実に安全なタイヤ交換ができます。
初心者でも使いやすいタイプも多く、最近ではホームセンターやネットでも手軽に手に入りますよ。

① トルクレンチで“適正トルク”を守る!

ホイールナットは**「なんとなく締める」ではNG**。
車種ごとに決まった「締め付けトルク(締める強さ)」があるので、それを守ることがとても大切です。

そこで活躍するのが先ほど紹介したトルクレンチ
設定した力に達すると「カチッ」と音が鳴る仕組みなので、締めすぎやトルク不足の心配がなく、初心者でも安心して使えます。

私自身、日々タイヤ交換をする中で、以下のようなトルクの目安を使っています。
よかったら参考にしてください。

  • 軽自動車:103N・m
  • 普通車 :108N・m
  • ランクルなどの重量車:110~140N・m

あくまで目安ですが、今までこの基準で脱落などのトラブルが起きたことはありません
とはいえ、車種ごとにメーカー指定のトルク値があるので、取扱説明書や整備マニュアルを確認するのがベストです。

🔧 初心者にも使いやすいおすすめトルクレンチはこちら!
✅ トルクレンチ(最大103N・m)
→ 準備中

交換後の「増し締め」は忘れずに!

タイヤを交換したら、**50〜100kmほど走行した後にもう一度ナットを締め直す「増し締め」**が必要です。
これは「最初の締め付けが甘いから」ではなく、走行中の振動やナットの“なじみ”によって、ほんのわずかに緩むことがあるからです。

実際に私の経験でも、適正トルクでしっかり締めていても、数十キロ走った後に確認するとごくわずかに緩んでいることがありました
もちろん、適正なトルクで締めていたので大きな問題にはなりませんでしたが、もしこれが適当なトルクで締められていた場合、脱落事故につながっていた可能性もあります

「増し締め」は地味な作業に見えて、命を守る大事なひと手間。必ず実施するようにしましょう。

ナットの本数と締め忘れを最終チェック!

交換後は、すべてのナットがちゃんと付いているか、1本ずつ手と目で最終確認しましょう。
特に、**ナットの付け忘れ・付け間違い(上下逆など)**は意外と起きがちです。

✅ 本数は合ってる?
✅ 向きは正しい?
✅ すべてのナットが確実に締まっている?

このひと手間で、事故リスクをぐっと減らせます。


「慣れた作業ほど、ミスが出やすい」とも言われています。
ちょっと面倒でも、一つひとつ確認することがあなたや大切な人の命を守ることにつながるんです。

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